瓦についての豆知識や歴史と伝統に培われた奥深い瓦の世界をご紹介します。日々の屋根工事の施工実績の掲載もしています
堀瓦工業 堀ブログ
淡路瓦 銀古美2
途方もない時間を費やし
地球の営みがつくりあげた奇跡の積層
淡路島の大地の恵み「土」
そして炎を操る瓦師の豊かな「感性」が表現する
オーガニックな質感
悠久の時を越え風雪に耐えたかのごとき
逞しくも味わい深く古美た表情
経年美化こそ日本建築の醍醐味・・・
銀古美の屋根は風景に必然の安らぎを与え
その地にしかない物語とともにかけがえなき原風景を未来へと繋ぐ
名だたる国宝級建築を風格と風情をもって守る
生命力ある古美た色彩を再現
晴れの日は品よく冴えわたり、雨の日は艶黒く
西陽を受けては夕色に染まる
土を焼いただけの瓦が魅せる奥ゆかしい陰翳の妙
四季が瓦の表情をつくり、風景を育てる
誰しもの記憶の奥底にある
美しく懐かしい日本景は、銀古美瓦が創ります
大栄窯業HP抜粋させていただいております。
前回も紹介させていただきました、この瓦
本来であれば、寒冷地である
ここ富山では
雪や凍害(凍て)で、すぐにボロボロにるということで
ずっとNGとされていました。
こちらは三州陶器瓦の凍害の様子です。
比較的、淡路瓦より凍害に強いと言われている
三州陶器瓦でさえ場所と焼き具合の状態で、凍害になってしまいます。
自分は、瓦の温度が低い瓦であればあるほど
凍害になりやすいのだと思っていましたが、
今年、大栄窯業の道上さんにお会いして
お話を聞かせていただくうちに、誤解だということがわかりました。
ちなみに瓦の焼成温度は
三州瓦 1100℃~1150℃
小松瓦 1200℃
石州瓦 1200℃~1250℃
となっています。
三州と小松瓦の焼成温度の差は50℃
温度だけ見ると
石州瓦が一番強いということになります。
当社でも石州瓦を使いますが、確かに強いです。
実際、日本で最高の温度で焼かれている瓦は
石州の亀谷窯業さん
1300℃です。 一度、使ってみたいものです。
話しを戻します。
淡路瓦は1000℃~1050℃と少し、温度が低めなので
富山や北陸など
寒冷地には向かないと言われています。
実際、富山で使用すると、2~3年でボロボロになります。
ちなみに富山で唯一、焼かれている
焼成温度は1150℃と 三州と変わりません。
つまり、瓦は
その土がもともと持っている性能(ポテンシャル)ギリギリまで焼き締めしたものが
強いということです。
当然、焼けば焼くほど
瓦の精度が下がります・・・・・・・
精度と、強さは瓦にとって相反するもの
30年程度であれば、精度の良い瓦を
50年以上屋根を維持させようと思うのであれば強い瓦を
選ばれると良いと思います。
この淡路瓦銀古美は、今までの淡路瓦の常識を覆す
寒冷地対応の素敵な瓦です。
淡路瓦の特徴である、きめの細かい綺麗な肌質と
寒冷地で耐えれる強さを兼ね備えてます。
この銀古美を使わさせていただきました。
同業者さんから、大丈夫か?と色々言われましたが、
全く心配していません。
工事前の画像がこちら
工事後がこちら
工事中
この気合の入った素敵な瓦を
少しずつ、富山の風景にくわえていきたいですね^^
ありがとうございました。